日本で3店目のかき氷専門店は日光天然氷×手動のかき氷機:谷中「ひみつ堂」
ひみつ堂(Blog)
東京都台東区谷中3-11-18 電話:03-3824-4132
営業時間:11:00〜18:30(ただし7〜9月は20時まで)、月曜休
食べたのは…2011年6月、7月
主な値段は…ひみつのいちごみるく 600円、ひみつの132(甘夏、すりおろしりんご 他) 800円
それは今年の5月上旬のこと。会社の同僚から「そういえば谷中にかき氷のお店ができるらしいですね」と気になる話を聞いたのでした。「え、かき氷のお店?」と聞き返したところ「詳しいことは知らないんですけど、家にチラシが入ってましたよ」とのこと。家に帰ってポストを見ると……あーっ、ほんとだ。うちにもチラシが入ってた!(谷中、うちから自転車圏内なんです)
5月22日にオープンしたかき氷専門店「ひみつ堂」。5月中には行かれなかったのですが、6月頭に行ってきました。その日は冷たい雨がしとしと降る、肌寒いくらいの日。谷中の商店街の端っこに、「夕焼けだんだん」という猫がいっぱいいる石段があります。その夕焼けだんだんを登らずに右に曲がればすぐにお店が。以前は豆料理店だったという物件に居抜きで入った「ひみつ堂」さん、カウンター+席がいくつか、という小さなお店です。
店内には日光の天然氷蔵元、三ツ星氷室の幟が。あ、三日月氷菓店と同じ天然氷なのですね。さっそくかき氷を注文してみました。迷った中で選んだのは……
ひみつのいちごみるく、600円。生のいちごをたっぷり使ったシロップと、練乳が半分ずつかかっています。いちごだけでさっぱり食べるのも、練乳と混ぜて甘くして食べるのもどっちもおいしい♪練乳と混ぜると、ちょっとサクマの「いちごみるく」飴っぽいかも。あ、もしかしてひらがな表記はそれを狙っている?見た目ちょっと「志むら」の氷生いちごに似ているけれど、味はかなり違います。
なつかしキャラメル。ちょっとほろにがなビターなキャラメルです。おいし〜♪ちょっとオトナっぽい味で、こちらもすごく好みです。
なにしろ梅雨時で肌寒いくらいの日。ほかにお客さんもあまりいなかったので、店主の森西さんともゆっくりお話できました。森西さんはかつて歌舞伎役者として市川猿之助さんの門下で10年にわたり活躍、その後会社員をした後に脱サラしてこのお店を出店したという異色の経歴。この日も猿之助さんから開店を祝うお花が飾ってありました。
詳しくはこちらのブログを見ていただくといいと思いますが、もともとは屋台でかき氷を作っていたそうで、目黒川のお花見や松戸のお祭りなどに出店していたとのこと。「屋台だと作れなかったかき氷が作れるのがすごく楽しいんです」といって作ってくださったかき氷がこれ。
生のリンゴをすり下ろし(ミキサーかな?)、ソースを仕立てたかき氷。りんご酢が効いていて、ほんのり酸っぱくて上品な味です。すりおろしたリンゴがきめ細かくトロリとしてソースのよう。面白いのは、ほとんど火が通っていなくて生の果実の味なんですよね。果物を使ったかき氷は増えているけど、これは新しい〜。
7月になり、暑くなり、梅雨が明けるころにはひみつ堂さん大人気になっていました。すっかり行列ができるお店になったころ、さらに2回再訪。この頃からスタートしたメニューが「ひみつの132」。そのとき手に入る素材を使い、その日の天候やお客さんの調子なども考慮しながら、132(ひみつ)種類のかき氷を作ろう……というマラソンのようなメニューです。
フレッシュ甘夏のかき氷。私、甘夏のかき氷を2回食べたんですが、同じ甘夏でもけっこう味が違って面白かったです。ひみつ堂さんのかき氷は「果物を生っぽく使う」ところが特徴なだけに、果物の味がストレートに出るんだろうな、という印象。実は食べてる途中に溶けちゃったのを最後にストローで飲むのも、こちらのお店のはおいしくて好きです。上等なフルーツジュース、って感じなんですよね。
というわけで、今年オープンしたばかりながら精力的にいろんなメニューにチャレンジしているこちらのお店。もう一つ私が気に入っているのが「クーラーをかけていない」こと!冷房がキンと効いたところで食べるかき氷はおいしさ半減。絶対、暑いところで食べた方がおいしいと私は思ってます。店主さんもそこは同じようで、どんなに暑い日もこのお店はエアコンが付いてません。スタッフのみなさんは大変だと思いますが……。
店主さんはさすがもと演劇人らしいサービス精神で、テレビにも精力的に出られているようす。すでに評判の人気店で、どんどん行列も伸びてる感じです。毎日数百杯はかき氷を出しているはずですが、実はこちらのお店、かき氷機が「手動」。忙しすぎて店主さんが倒れちゃったり、手首が腱鞘炎になっちゃったり、なんてことがないようにがんばって夏を乗り切ってくださいませ!影ながらお祈りしています。