店長さんの愛と向上心を感じる「かき氷喫茶 バンパク」@三軒茶屋
かき氷喫茶 バンパク(Twitter)
東京都世田谷区太子堂2-23-5 プルミエ太子堂B1F 営業時間 12:00〜18:00(L.O17:30) 不定休(※2016.4 移転後の住所に修正しました)
食べたのは……2015年2月、2015年12月
主な値段は……和歌山みかんレアチーズ 850円/ラムレーズンとバニラカルダモンみるく 850円/バレンタインみるくベリーチョコ(2月) 800円 etc.
年々過熱化するかき氷ブーム。2015年はかき氷をウリにする新店がたくさんオープンしていました。しかしブームになればなるほど、そして店が増えれば増えるほど、書きづらくなっていったのも事実。だって、夏頃にぽっと出てきた「かき氷専門店」が、冬になる前に消えてたりつぶれてたりするんですよ。
普通の人は夏しかかき氷を食べません。かき氷専門店が、夏は忙しくて冬は閑古鳥になるのは本来当たり前の話(最近はそうじゃない店も出てきていますが)。その辺の覚悟なく、「かき氷がブームだから」なんて理由で、半年も続かないような飲食店を始めちゃだめだと思うんですよね……。
ブームの半面、そういった中途半端な「専門店」が続々登場した2014~2015年の夏は、このブログをどういうスタンスで書くべきなのかと悩みました。私は、トーキョーウジキントキで紹介するお店は、原則かき氷がおいしい、おすすめのお店ばかりにしたいと思っています。「ここで紹介されてるかき氷はおいしいよね」とみんなに思ってもらえるブログでありたい。こんな弱小ブログではありますが、それはもう10年くらいずっとそう思っています。
そしてもう一つ、最近「かき氷専門店」が増えて思うようになったのは「かき氷に対する愛と謙虚さがある人のかき氷は、おいしくなり続けるなあ」ということ。そういうお店は応援したくなるし、かき氷がレベルアップし続ける。実際おいしいよね、と。そうじゃないお店は、成長がストップして、他のお店にすぐ追い越されてしまう。
2011年以降、日本のかき氷はものすごいスピードでレベルアップしています。特にここ2~3年の、通年でかき氷を提供する店が増えて以来のレベルアップぶりは目を見張るものがあります。
……という前振りのあとで紹介するのは、三軒茶屋にある「かき氷喫茶 バンパク」さん。かき氷大好きな店長さんがつくる、地元・和歌山の素材を使ったおいしいかき氷を食べられるお店です。オープンしたのは今年(2015年)の2月。かき氷を食べにくる人なんてほとんどいない寒~い季節に始めるあたり、さすがです。
このお店は本当は、お酒を飲むバー。営業していない昼間の時間だけ、かき氷店として営業しています。店内&この日のメニューはこんな感じ。カウンター席は作業台、お客はテーブル席に座ります(写ってないけど)。
この時期になると「ことし、一番印象に残ったかき氷はなに?」という話がかき氷好きの間ではなされるのですが、「バンパクの和歌山みかんレアチーズ」と答えてる人、数人見かけました。
一番上に載せたこの写真が、うわさの「和歌山みかんレアチーズ」です。
みかん氷部分を食べるとみかんのスムージーみたいな味、白い部分はさっぱりチーズソースでみかんと合う!食べ進むと中にもチーズソースが潜んでて、うん、確かにこれはおいしいなあ。
ちなみに、お隣の席の人が食べてた「はちみつ檸檬レアチーズ」も、めっちゃおいしそうでしたよ。
もう一杯食べたのは、「ラムレーズンとバニラカルダモンみるく」(長いw)
白いミルク氷の上には、たっぷりのラムレーズン。このレーズン、ラム酒をたっぷり吸ってぷくぷく大きめ。結構お酒が強くて風味豊か(お子様はやめといたほうがよさそうです)。写真だと見えませんが、白い氷の周りには細かい粉が振ってあります。たぶん、カルダモンパウダーだと思うんですが、カルダモンの香りは割と控えめなので、「スパイス強いの苦手!」という方もご安心を。
氷を食べるとバニラがふわりと香ります。ラムレーズン+バニラミルクの氷を食べ進むと途中で味がかわる仕掛けが楽しい。外も中も、「これは大人のかき氷!」って感じでした。大人って楽しいね(笑)。
バンパクさんのかき氷は、丁寧に作ってることがすごくよく伝わってきて、食べてて楽しいです。周りをちょっと固めてまーるく成形してるのも特徴かと。今まで紹介したのはつい先日12月初めに食べたかき氷ですが、実は私、こちらにオープン直後の2月にもお邪魔しているのです。そのときに食べたかき氷はこちら。
和歌山みかん。
2月の限定だったと思われる、「バレンタインみるくベリーチョコ」 。
12月のかき氷とオープン直後の2月のかき氷、形からして全然違いますよね。写真みただけですぐわかる。上にも書いた通り、店長さんは和歌山出身。それもあって「和歌山みかん」はオープン当初からあったんですが、初めて食べたときよりも今回のみかん氷の方が断然美味しかったです。
よほどの氷好きじゃなきゃこない極寒の2月にお店を始めて、忙しい夏を1人で乗り越えて、1年弱経ったからこそ、あのおいしい「和歌山みかんレアチーズ」ができたんだろうなあ、店長さんのかき氷愛と向上心のなせる技だよなあと思いながら、お店をあとにしたのでした。かき氷、どちらもおいしかった!
ちなみにバンパクさんが、この場所で営業するのは今年いっぱいとのこと。現在、来年営業するお店を世田谷エリアで探しているそうです。「いい物件あるよ」という方がいたらぜひ紹介してあげてください! 来年、さらにレベルアップしたバンパクさんのかき氷を食べたいので。