トーキョーウジキントキ(かき氷専門ブログ)

日本(と世界)のおいしいかき氷を実食&レポートするブログです。2003年スタート、2022年に「かき氷は【夏以外】がおいしいことを伝える」をコンセプトにリニューアルしました。

【閉店】バランスの勝利:SADEU「宇治金時みるく」

【※2011年追記:2008年、サザビーはSADEUの展開を中止しました。】
「SADEU 新宿タカシマヤ店」(WEB)
渋谷区千駄ヶ谷5−24−2 新宿タカシマヤ2F
TEL:03-5361-1467 営業時間10:00〜20:00

食べたのは…2005年8月
主な値段は…「宇治金時みるく」890円(確か)

Afternoon Tea Roomやスターバックスなどを展開するSAZABYグループが手がけている和カフェ「SADEU」。お茶とおやつとごはんが楽しめる新感覚の茶寮、というテーマのお店です。

SADEUにもかき氷があるということで、行って参りました(夏季限定メニュー)。まだ店舗は少なくて、新宿タカシマヤのほか、銀座、六本木ヒルズ、名古屋松坂屋、福岡岩田屋にあるそうです。

夏季限定のかき氷は2種類あります。「宇治金時みるく」と「黒蜜きなこみるく」。相当迷ったのですが、今回は宇治金時みるくをいただきました。


サイズは中の中くらい。宇治とミルクのかき氷に、粒あんが添えられ、白玉が載り、そしてソフトクリームが横に寄り添っています。

「ソフトクリームが上に載っているかき氷は食べにくい」という話を何回か書いたことがありますが、SADEUの宇治金時みるくはソフトクリームが真上でなく、横に載っているので非常に食べやすい!細かい話ですが、実はポイント高いです。上に載ってしまっていると、氷を食べる前にまずソフトクリームを食べ終わらないといけないんですよね。氷食べつつソフトクリームも…というまねができないのです。

で、お味。

おいしいです。なんともおいしいです。ちゃんと点てた抹茶の味、ほのかに甘いミルク、ぷにぷにと柔らかな白玉の歯ごたえ、柔らかく炊いた粒あん、白く輝くソフトクリーム…
実にバランスがよくて、楽しい気持ちで食べ進められます。うん、おいしい。

…しかし、よくよく考えるとどうしてこのかき氷がおいしいのか、不思議に思えてきたのでした。

抹茶はおいしいけど、例えば虎屋や紀の善のように、抹茶の味がガツンと効いた美味ではないわけです。粒あんも、柔らかくて、氷とのなじみはいいけれど、感動するほどおいしいわけではない。ソフトクリームの味も、合格点ではあるけれど褒められるほどではない。なにより私としては気になるのが氷がかなりガリガリなことです(写真↓参照)


個人的に、氷がガリガリだとかなりポイントが低くなってしまうのが常。それなのになぜ…?
「不思議だ、不思議だ」と思いながら食べ進めるうちに、はっと気づいたのです。「これは“抹茶ラテ”のかき氷版だ」ということに…。

抹茶を点てて、泡立てた牛乳で割った飲み物が抹茶ラテ。和カフェでは定番中の定番メニューです。
最近は缶ドリンクやファストフードメニューとしても出てきていますが、お茶の味が売りの和カフェなら当然おいしいメニューです。

私はこの抹茶ラテが大好物なんですが、SADEUのかき氷の味は「宇治+練乳」ではなく、ミルク感を全面に押し出した「抹茶ラテ」の味なんですよね。抹茶ラテを氷で再現したらこんな味になりました、という感じ。レシピを考えた人は実に上手い。この手堅さはさすがSAZABYグループだよなあ、と妙な感心をしてしまったのでした。

一つ一つはそれほど際だっていないのに、トータルとして見ると手堅くおいしく、幅広い客層の支持を得られそうな味…“かき氷”を目的に行ったら肩すかしをくらうかもしれないけれど、和カフェで出てくるかき氷としては、非常に高得点…そんな美味です。

京はやし屋とSADEUの差はそこにあるのかもしれない、などと思いながらお店を出ました。こんどは銀座店でもう一種類のかき氷食べてみようっと。(←また行く気になってる)