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トーキョーウジキントキ(夏季限定かき氷専門ブログ since 2003)

おいしいかき氷を実食&レポートするブログです。夏季限定更新、2003年スタートで今年12年目。東京・名古屋を中心に、世界各地のかき氷を扱っています。2011年に旧サイトからはてなダイアリーへ、2014年さらにはてなブログへ引っ越してきました。

別格だな……と思うおいしさ、安定感:鵠沼海岸「埜庵」

埜庵(WEB)
神奈川県藤沢市鵠沼海岸3-5-11 TEL : 0466-33-2500
営業時間:11:00 - 18:00  定休日:毎週月曜日

食べたのは…2012年6月
主な値段は…きゃらめるみるく 800円、いちごみるく+白玉 800円+100円

トーキョーウジキントキ、実は今年(2012年)で10周年になります。やっていることは10年前から何も変わっていなくて、かき氷を食べて、写真とテキストでレポートする……という、それだけ。

書き手の私たち(東京担当のayanoと、名古屋担当のほまめさん)のスタンスは10年前から変わっていないんですが、かき氷を取り巻く環境はこの10年で大きく変わりました。10年前は本当に「かき氷だけのブログなんて、物好きな」という反応がほとんどだったし、阿左美冷蔵などではかき氷を食べたい人がたくさんいて、夏は行列ができるという話をすると「並んでかき氷を食べるなんて信じられない」と言われることが珍しくなかったのです。

埜庵
(埜庵の「きゃらめるみるく」。おいしい!)

でも、ここ数年で状況がかなり変わりました。去年あたりから本当に変わったと思います。いろいろな変化を大きく二つにまとめるなら、一つはかき氷が「スイーツ」に変わったこと、そしてもう一つは「天然氷ブーム」と「かき氷専門店の増殖」かな、と。

かき氷、スイーツとしてすっかり市民権を得ましたよね。象徴的だったのは、Casaの連載をまとめた蒼井優さんの本『今日もかき氷』が出版されたことじゃないかなと思います。それまでは「頭がキーンとする屋台のおやつ」だったのが、「ふわふわなかき氷」「シロップが自家製、果物をふんだんに使ったリッチなかき氷」が珍しくなくなりました。

スイーツとして定着すると共に、かき氷の値段も上がりました。10年前は600〜800円クラスのかき氷というとかなり高級品で、虎屋サダハル・アオキなど、1000円超えるかき氷を食べるには相当な覚悟が必要でした。が、最近は500円以下のかき氷をほとんど見ないくらい。ちょっとこだわりのお店でトッピングをしたり高い抹茶を選んだりすると、1000円超えるくらいすぐです(だるまやさんの特選宇治ミルクとか)。

そして、天然氷ブームとかき氷専門店の増殖。一番最初に産地以外で天然氷のかき氷を打ち出した&かき氷専門店としてスタートしたのはおそらく埜庵(一番最初、まだ鎌倉にお店があったころの話はこちら→)、次が三日月氷菓店(まとめエントリはこちら→)だと思うのですが、去年から今年にかけては、ひみつ堂、ニッコリーナ、あんこ屋 八、梵くら……等々、かき氷専門店が続々オープン。熊谷の「慈げん」も気がついたら夏はかき氷のみのお店になっていたし。

そして、これらのかき氷専門店はほとんどが「天然氷使用」を打ち出しています。専門店以外にも、ここ1〜2年で「天然氷のかき氷」を出すお店は急増しました(右の「天然氷のかき氷」で一覧できます)。天然氷は秩父、日光、軽井沢でしか作られていないのですが、生産量が一番多いのが日光なので、東京で天然氷をウリにかき氷屋さんをするお店は大抵日光の天然氷を使うことになります。日光の中でも松月氷室、三ツ星氷室の天然氷を使っていたところは大丈夫だったのですが、氷屋徳次郎(参考→)の氷を仕入れたお店は軒並み、今年は8月半ばで「氷切れ」という事態に。急きょ、「○○の天然水を使った氷を使用」など方針転換を迫られたお店をいくつか見かけました(「天然水氷」と「天然氷」も相当紛らわしいですがその話はまた今度)。

前置きが長くなりました。それまでは抹茶やミルク、市販のシロップが普通だったのを、「天然氷+フルーツの自家製シロップ」というスタイルを確立し、かき氷をリッチなスイーツに昇華させた立役者といえるのが「埜庵」(の石附さん)です。今年は本当に天然氷のかき氷が増えたし、フルーツの自家製シロップのかき氷も珍しくなくなってあちこちで食べましたが、それでもやっぱり、埜庵は別格だな……と、しみじみと。

埜庵

写真は6月に食べた埜庵のいちごみるく。氷の温度、かきかたも完璧、いちごソースをたっぷりかけてもぐずぐずに溶けることもなく、最後までいい状態でおいしくいただけます。いちごソースだけで食べても、ミルクだけで食べてもおいしいし、別添えの白玉もゆでたてのもちもちです。

もう一つ。
埜庵
こちらはきゃらめるみるく。練乳がかかった状態で出てくる氷の横には、甘くてほろ苦いカラメルソース。甘ったるくない大人の味です。小皿は塩と粗挽きのこしょう。ときどきこれをパラパラかけると、さらに味が引き締まってやめられない止まらない美味。はぁ、おいし……。

私はこれまで、多分埜庵でのべ50食近くかき氷を食べてるはずなんですが(ざっと計算してみた)、一度たりとも「この味はイマイチ」と思ったことがないんです。酸味が強い果物のかき氷も、甘みが強い果物のかき氷も、デザート系のかき氷も、中にゼリーやブラマンジェが入ってるものも、どれを食べても毎回「おいしい〜♪」と言ってる気がします。これって実はとんでもなくすごいこと。

もう一つすごいのは、最近埜庵で食べたかき氷は、石附さんが削ってないんですよね。スタッフの人が削っているそうです(上述の2種類のかき氷もそうです。すごく上手)。トーキョーウジキントキで何度も紹介しているようなおいしいかき氷屋さんは、ほとんどの店が氷を削る人は1人なんですが(なので、忙しいお店のご主人は夏場倒れちゃうんじゃないかと毎年心配になる)、埜庵に関しては石附さんがいなくてもお店を回せるんだなぁ、こんなかき氷専門店は唯一だなぁ……と。

正直、埜庵のかき氷くらいおいしい&シロップがたっぷり濃厚だったら、天然氷じゃなくても全然問題ないはず(実際、過去に氷が足りなくて一時的に純氷で出していたこともあった記憶)。少なくとも私は、黙って純氷で出されたら分からないと思います。

実は今回埜庵を訪れた日は、ちょうど自分の誕生日で(なので、初めて埜庵に行ったときとか、昔のことを思い出していた)、しかも天然氷を使っているかき氷専門店「霧原」でかき氷を食べてきた直後のハシゴ氷。「天然氷+自家製フルーツシロップ」という、ある意味“埜庵フォロアー”といえるかき氷店がどんどん増えていく中で、いつ何のかき氷を食べても間違いなくおいしい埜庵はやっぱり別格なんだな……と、梅雨時なのにすでに行列している埜庵でかき氷をつつきながら、そんなことを考えていたのでした。

回顧気味なエントリでスミマセン^^;; 次回更新分からはいつもの調子に戻ります……戻します。