昭和の匂いがする…下町の正統派かき氷:茅場町「田川堂」
「田川堂」(店名教えていただきました、ころこにさんありがとうございます!)
東京都中央区新川2-7
※茅場町パークホテルのすぐ隣
食べたのは・・・2004年8月
主な値段・・・・・小倉白玉 500円
ある暑い日。フラフラしながら歩いていた私は、一軒の古びた和菓子屋さんにかかっていた「氷」ののれんに引き寄せられました。暑い…お腹空いた…かき氷たべたい…。
おじいさんとおばあさんが二人でやっている、こじんまりした和菓子屋さん。
店の奥を喫茶スペースにしているのですが、足元は三和土(たたき)そのままで、古びたパイプ椅子と、簡素なテーブルが三つ四つ置いてあるだけ。壁には柱時計がかかり、メニューはペラ紙に筆で直筆のものが一枚貼ってあります。
う〜ん、昭和の匂いがする…。
私は東京の下町育ち。子供の頃はこういう甘味処が普通にあちこちあったけど、最近はなくなっちゃいましたねえ…。
おじいさんが「何にします?」と訊いてきました。
私「うーんと…小倉白玉ってかき氷ですよね」
おじいさん「そうだよ。ちょっと時間かかるけどいい?」
私「時間ってどれくらいですか」
おじいさん「お湯わかすからね、五分くらい」
私「(思わずクスリと笑って)大丈夫です、それくらい待ちます」
というわけで小倉白玉を注文。
バタンバタン、と冷蔵庫を開けたり閉めたりする音、しばらくすると、シャーコ、シャーコと氷をかく音が聞こえてきました。
約束の五分が経って出てきたかき氷を見た瞬間「なつかしい〜!!!!」と涙が出そうになる私。いや、大げさじゃなく。写真は続きに。
コップに入った水道水と、無造作に差し込まれたアルミのスプーン。そうそう、私が子供の頃、甘味処で食べるかき氷ってまさしくこういうのだったっけ…。
下町の甘味処では、ここのように、氷の上にはなにもかけないお店が多かったんです。多分、上からかけるとせっかくかいた氷が溶けてしまうから。さきに器にシロップなりあずきなりを敷いておいて、その上に氷をかけるスタイルが普通。
氷はエッジの立った、よく刃を研いで削ったのであろう氷です。
シャクシャクしつつも口溶けは軽くておいしい。
さくさくと食べ進んでいくと、柔らかなあずきと白玉が顔を覗かせます。
白玉、6〜7個入ってました。数なんか適当なんだろうなあ(笑)
正直、あずきはちょっと焦げ気味な味で「ん?」と思ったんだけど、でも柔らかく炊いてあって氷や白玉とのなじみは抜群でした。一つ前に書いた三原堂とはある意味対照的なかき氷。
小さな扇風機が店内の空気をゆっくりとかきまぜています。
私が子供の頃「かき氷」ってこういうのだった…とノスタルジーにひたってしまうようなかき氷でした。値段も350円〜500円と安いし。ああ、おいしかったぁ…。
500円玉一つ、ポンと渡して外に出ました。
レシートもなにもないので、電話番号も店名も分からずじまい。外に出てお店の看板をまじまじと見てみたけれど…こ、これなんて読むの???
看板が読めずに困っていたのですが、このエントリを見たころこにさんが「田川堂ですよ」と教えてくださいました。
串じゃなくて堂だったんですね…しかも右から読むんですね…お恥ずかしながら思いつかなかったです。疑問をといてくださって、どうもありがとうございました!