トーキョーウジキントキ(かき氷専門ブログ)

日本(と世界)のおいしいかき氷を実食&レポートするブログです。2003年スタート、2022年に「かき氷は【夏以外】がおいしいことを伝える」をコンセプトにリニューアルしました。

日光で「天然氷のかき氷」めぐり その3 吉新氷室 改め 四代目氷屋徳次郎

日光の天然氷めぐりシリーズ、第三回。今回はちょっと趣向を変えて、番外編をお送りします。

前のエントリにも書きましたが、日光には天然氷を作る蔵元がいくつかあります。このサイトを始めてすぐに調べたとき見つけた資料には「日光には天然氷を作る蔵元が3つある」と書いてありました。しかし私が数えると、蔵元は4つあるみたい。なぜだろう?と不思議に思っていました。

今回はせっかく日光へ車で行ったので、蔵元を車で回ってみることにしたのです。日光の天然氷の蔵元、一つ目は松月氷室さん、そして二つ目は三ツ星氷室さん。いずれも夏季はかき氷を販売されているということで、おじゃましていただいてきたのは前のエントリに書いたとおり。

3つ目に向かったのは、吉新氷室さん。前の二軒からちょっと離れた、山の中にあります。カーナビに調べておいた住所を入れると「その住所はありません」と言われてしまうのですが、とりあえずは住所の近くまで行ってみることにしました。

IMG_5379

車を降りて歩いて行きます。空気がおいしい……と、あれ?

道が行き止まりになってしまいました。そこにあったのは、人気のない一軒の小さな小屋。……あっ!

吉新氷室を目指していたのに、住所を頼りにたどり着いた小屋には「日光天然氷 氷屋徳次郎」の看板がかかっていたのでした。そう、私が思っていた「四軒目の蔵元」とは氷屋徳次郎さんのこと。2008年に登場し、三越と組んで天然氷のPRをしたり、榮太郎とのコラボかき氷を期間限定で提供したりしていた蔵元さんです。その氷屋徳次郎さんが実は吉新氷室さんだった……ということは、やっぱり「日光で天然氷を作っている蔵元は3軒」で合っていたのですね。

「吉新氷室=氷屋徳次郎」であることが分かってすぐに、もう一つの私の謎も解けました。というのは、氷屋徳次郎さんはいつも「四代目 氷屋徳次郎」と名乗っているんです(ブログを参照)。四代目というくらいだから、徳次郎さんの家が代々氷屋さんなのだと私は思いこんでいたのですが、実はそうではなかったらしい、ということ。

ちょっと調べてみると、(有)フードピア日光という会社のサイトに詳しいことが書いてありました。そもそも、“徳次郎さん”という人物がいるわけではなく、“四代目氷屋徳次郎”とは、山本雄一郎さんという方を中心にした有志の集まりなのだそうです。2006年に吉新さん(この方がおそらく三代目)で天然氷の蔵元をやめることにしたので、2007年に吉新さんに継承の許可をもらって氷作りを習い、2008年から「四代目 氷屋徳次郎」として天然氷の販売を開始した、というのが経緯だそうです。

上にも書いたとおり氷屋徳次郎さんは、三越や榮太郎といった老舗と組むことで、日光の天然氷のブランド化を熱心に進めている蔵元です。私の印象では、マーケティングの手法も、日光天然氷の話題が盛り上がる感じも、非常に勢いがあって「2008年に突如登場した新興勢力」という感じだったのですが、「四代目っていうからには新興ではないはず」というのがずっと不思議だったんですよね。四代目とはいえ実際には2008年から販売を始めたばかりのまさにニューカマーだったわけですから、私が違和感を感じたのも、あながち的外れではなかったということになりそうです。

というわけで、天然氷の蔵元を訪ねていたら、かき氷を食べないトーキョーウジキントキになってしまいました。番外編はこれくらいにして、次回からはまたかき氷の実食レポートに戻ります。


※8月16日追記:写真の点数を減らすなど、一部内容を変更しました。