トーキョーウジキントキ(かき氷専門ブログ)

日本(と世界)のおいしいかき氷を実食&レポートするブログです。2003年スタート、2022年に「かき氷は【夏以外】がおいしいことを伝える」をコンセプトにリニューアルしました。

地元人気No.1!商店街の和菓子屋さんにかき氷作りの名人がいた……:蔵前「港家」

「港家」
東京都台東区鳥越1-15-1
TEL:03-3851-9801 営業時間:10:00-19:00 日曜休

食べたのは…2011年7月
主な値段は…氷宇治あずき 350円

浅草橋と浅草の間にある街、蔵前。その蔵前に昔からある商店街が「おかず横町」です*1。昔からこの辺は工場や商店が多く、働くお母さんが多かったため、料理を作らなくても済む惣菜屋さんが多かったので……というのがその名の由来。

そんなおかず横町においしいかき氷屋さんがあるらしい、と聞いたときは「?」と思いました。実は東京担当ayanoはこのすぐ近くの出身。おかず横町にも子どもの頃何度も通っていたのですが、かき氷屋さんの記憶がないのです。氷屋さんもなかったはずだけど……ハテ?

というわけで、久しぶりに訪れたおかず横町。懐かしいなぁと思いながら門をくぐると、入ってすぐのところに氷ののれんがはためいていました。あーっ、分かった、思い出した!ここ、和菓子屋さんだ!


というわけで大変長い前振り、失礼いたしました。おかず横町の和菓子屋さん「港家」の氷宇治あずき、350円。350、なんて数字をこのブログで書くのは何年ぶりだろう……(しみじみ)。しかもここ、350円でもかなり高いほう。多くのかき氷は130円です。ひゃ、ひゃくさんじゅうえん!!(驚)

最近は「グルメかき氷」とでも言いましょうか、高くておいしいかき氷が増えていることもあって、全体的にかき氷の相場が上がっている気がするのです。500円未満のかき氷は滅多に見ないし。でもかき氷って、もともと気軽なおやつなはずだったんだけどなぁ。

……というわけで値段の話から入ってしまいましたが、このかき氷、すごくおいしいのです。目の前でお店のおばちゃんが氷をかいてくれるのを見ていたのですが、上手い! 速い! 動画を撮りたくなるような素晴らしい手際のよさ! 氷をかいてるところを見ただけで「これはまちがいなくおいしいわ」と分かる感じ。

プラスチックカップにふわっふわな氷を高く盛りつけ、トントントンと底を叩きつけるようにして氷をカップに沈ませます。シロップをたっぷりかけ、あずきをこちらもたっぷりと投入して、さらにそこからもういちど、ふわふわ氷をうずたかく盛りあげて、たっっっっっぷりとシロップをかけます。できたては氷の上でシロップが溶けてしゅわしゅわ言っているほど。ものすごく速いのにほとんど氷をこぼすこともない。見とれるほどの手際の良さです。これは名人芸だ……


店内はとっても狭いので、かき氷を受け取ったらすぐに外へ。店の前にいくつか設えられたベンチに座って、太陽の下でかき氷を食べ始めます。この日は太陽がギラギラと照りつける暑い日。かき氷を食べるには最高のシチュエーションです。名人がかいたかき氷がおいしくないわけがありません。店の正面のベンチに座って、しばらく無心でかき氷を食べていました。

あの作り方だと相当な氷の量だなあと思いながら見ていたのですが、食べてみると予想通りのボリューム。氷もおいしいし、抹茶をたっぷり使った宇治シロップもおいしいし、和菓子屋さんですからもちろんあずきもおいしい(しかもかなりの量)。

商店街を通る人たち、かなりの割合で港家さんの前で足を止めます。歩きながら店内に吸い込まれていくひと、自転車をキキーッ!と勢いよく止めて店内に突入する人……私の隣には相席でやはり氷好きそうな女の子が座っていたのですが、彼女も私も相当幸せそうな顔でかき氷を食べていたのでしょう。何人かの人に「かき氷屋さん、どこだっけ?」と聞かれました。そのたびに二人で無言で目の前を指さすと、尋ねた人は全員かき氷を買いに港家さんに吸い込まれていく……というのを、かき氷を食べていた十数分のうちに何回か繰り返しました。

それにしても安くておいしいかき氷でした。地元の人たちに支持されるのも納得、久しぶりに訪れた懐かしい街で、非常に幸せな気持ちになったひとときでした。港家さん、オススメです。

港家

食べログ 港家

*1:最寄り駅は浅草橋か新御徒町。しかしどちらから歩いても10分はかかる微妙な距離……