トーキョーウジキントキ(夏季限定かき氷専門ブログ since 2003)

おいしいかき氷を実食&レポートするブログです。夏季限定更新、2003年スタートで今年12年目。東京・名古屋を中心に、世界各地のかき氷を扱っています。2011年に旧サイトからはてなダイアリーへ、2014年さらにはてなブログへ引っ越してきました。

渡辺美里が愛したかき氷屋さん:ミルクホール石川

ミルクホール石川
東京都世田谷区赤堤5-34-1 電話:03-3328-6635
営業時間:12:00〜18:00、基本は日祝定休(臨時休業もあり)

食べたのは…2006年7月
主な値段は…ミルクあんず 300円、ニグロ 350円

高井戸駅から日大通りをまっすぐ歩いていき、高校のところを曲がると、大きな木の下に「氷」の暖簾が揺れています。実はここのかき氷、一部では非常〜に有名なのです。


このお店の名前は、「ミルクホール石川」。6月から10月まで営業している小さなお店です。お店の中にはテーブルが三つ、いつも近所の学生さんたちでにぎわっています。お店を切り盛りするのは、お話好きなおばちゃん。壁に貼ってあるメニューの中から、「ミルクあんず」と「ニグロ」を選んでみました。


ミルクあんず300円と、ニグロ350円。なんとも素朴なかき氷ですが、扇風機が生ぬるい風をかき回している店内で食べると、それがとてもおいしい♪ そうそう、かき氷ってこういう食べ物だよね、本来。

ニグロというのは随分変わった名前ですが(さらにいうなら放送禁止用語かもという気もしますが)、ミルク金時氷の中にあんずとみかんが入っている豪華版のかき氷です。……と説明すると甘そうだけど、結構食べると酸っぱい。松原高校ラグビー部の男の子たちが名付けたかき氷なのだそうです。


ミルクあんずを食べ進むと、大きなあんずがゴロンとでてきます。杏好きなので、こういうのはうれしいなー。

さて、このお店がなぜ一部で有名なのか、そしてなぜ「ミルクホール」という名前なのか、そろそろ種明かしをしましょうか。

渡辺美里の4枚目のアルバム「BREATH」の中に、「Milk Hallでおあいしましょう」という曲があります。そのタイトルになっている“Milk Hall”とはまさにこの「ミルクホール石川」のこと。渡辺美里はこのお店のすぐそばにある都立松原高校の出身で、松原高校ラグビー部のマネージャーをしていました。

お店のおばちゃん曰く、「練習を見ていないで、抜け出してよくかき氷を食べていた」そうなんですね。そんなわけで、この小さな小さなお店は、渡辺美里ファンの聖地のような場所らしい。夏のライブ日ともなれば、ファンがこのお店に押しかけるのだそうです。とても入りきらないだろうに……。渡辺美里ファンが代々書いていくノートというのもあるみたいですよ。

#ちなみに、高校生だった渡辺美里のお気に入りというのが「カルピスあんず」だったそう。私はそれを頼んだつもりが、事前リサーチが甘くて、間違ってミルクあんず食べちゃったのでした。ああー(苦笑)

私は渡辺美里のファンというわけではないのですが、おばちゃんにいろいろお話を聞かせてもらいました。渡辺美里の写真集があって、その撮影のときに渡辺美里がこのお店にやってきたそうなんですね。ところが残念ながらその日はお休み。「せっかく行ったのにお店が休みだった、残念」という話が写真集に書かれていたのだそう。ファンが今でもお店にやってきて、おばちゃんは「せっかく美里が来たのに、どうして店を開けかったんだ」と怒られるのだそうです。そんなこと言われたって、ねえw(もちろん冗談でいったんだと思いますけど)

さらにもう一つ疑問だったのが「ミルクホール石川」という店名。ミルクホールというと、大正とか昭和初期のモダンなおしゃれスポットで、モガがいて、ミルクコーヒーを飲んでいて……とかそんなイメージなのですが、このお店はどうもそういう感じには見えないのだけれど……そう訊ねると、おばちゃんは「あはは」と笑って店名の由来を教えてくれました。このお店を開いたのは、明治生まれのおばちゃんのお母さんだったそうなんですが、「ミルクホールに憧れていたから」という、それだけの理由らしいです(笑)

とはいえ、いちおう「ミルク」にまつわる仕事もしていたとのことで、元々は明治乳業の専売所だったそうなんですね。このあたりの学校の生徒にビン牛乳などを売って商売をしていたのだけれど、世の中に自販機が増えてきて、ビン牛乳は売れなくなってしまい、「専売所はやめましょうかね」という話になったのだそう。そんなわけで、今や店名に“ミルク”が付く要素はどこにもなくなっちゃったわけですが、今でも界隈の学生さんたちのために、安くておいしいかき氷や軽食を提供しているミルクホール石川なのでした。

ちなみにこのお店、おばちゃんの趣味でやっているようなお店なので、臨時休業も多いし、そもそも6月から10月までしかお店を開けていません。基本的には日祝休みなんですが、8月下旬になると、おばちゃんの合唱ツアーが忙しくなるため、休みの日が多くなるのだそうです。現地に行ってみてやってなかったら、残念ですがあきらめてください←ヒドイ

なんとも気まぐれかつアットホームなお店でしたが、なにしろおばちゃんがいい人で、楽しいひとときを過ごせました。渡辺美里ファンの方なら、聖地巡礼に行ってみてはいかがでしょう?きっとものすごく楽しいと思いますよ。